photographs:TAMOTSU KURUMATA
text: NET/PRINT SIMULCASTERS
サイマルキャスターズの二人とも、愛知県入りは1989年の名古屋デザイン博覧会以来。名古屋から電車で15分、刈谷にあるトヨタ自動車とトヨタ関連企業12社の住環境総合展示場「アトリスパーク刈谷」で、ゼネラルプロデューサーの近田俊二さんに お話をうかがいました。
クラブハウスを思わせる「アトリスパーク」のレセプション施設アトリス センターでは、近田プロデューサーとトヨタ自動車が運営する「くらしデザイン .com」担当の松井志夫さんがサイマルキャスターズの 到着を待っていてくれました。受付にはばっしっと決まったスーツ姿が凛々しい女性スタッフが2名。スウェットにサンダルという超カジュアルな格好で来てしまい「済みません。ホント」。  

 

 

【ここがトヨタ発祥の地です 】

「そんなに緊張しなくていいですよ。先日も近所のお年寄りが普段着のまま、ふ らっといらして、お茶を飲んで帰っていったんです。『いくら払えばいいの?』 って聞いていましたが、もちろん無料。地域に開かれた施設を目指していますか ら、どんどん利用してほしいですね。ここ刈谷市はトヨタのグループ企業が集まっているだけでなく、この敷地内 で、トヨタ自動車創業者の豊田喜一郎が初めて自動車試作工場をつくった、トヨ タ発祥の地でもあるわけです」

と近田さんは笑顔で迎えてくれました。

「受付の彼女たちはゲストオーガナイザーで、この施設のキャラクターそのものと言っていいでしょう。 住宅展示場にモデルハウスを見に行くと、とりあえず見学したいだけなのに、 営業のスタッフが張り付いて煩わしかったり、心苦しくなることがあると思うんですよ。ここでは、まず彼女たちがお客さまを迎え、生活者と同じ視線で対応す る。もし具体的なプランや専門的な話を聞きたい場合は、この施設内にはトヨタ ホームの販売店2社とリフォーム会社が1社入っていますから、お客さまにご了解 いただいた上で、営業のスタッフにつなぐ、いわばホテルのコンシェルジェのような存在です」。

【トヨタの技術力って何!? 】

「実はグループ各社、クルマ関連だけではなく、玄関脇にあった電気自動車を始 め、さまざまな生活関連商品を開発してきました。『アトリスパーク刈谷』は、 それらを一堂に常設展示することで、クルマと住宅、生活関連商品、福祉介護商 品を採り入れた、他社とは違うトヨタならではの暮らしの提案に、実験的に取 組むコア拠点と捉えています。施設名のアトリスというのは、オール・トヨタ・ ライフ・システムの略なんですね」

と、近田さんの言葉にも力が入る。
「アトリスパーク刈谷」では、これまで個別に行われてきたトヨタグループ各社の生活支援のための技術提案を集結し、住まいのハードと暮らしのソフト、両面 から生活者をサポートしていこうというわけだ。しかもグループ企業間のネット ワークを活用し、技術や素材を有効利用できる強みもある。例えば、吸音材や舗装材などの住宅建材に、自動車のシートやバンパーなどの 廃材が使われていたり、カーオーディオやエアコンの技術が住宅にスピンアウト されていたり、クルマのキーレスエントリー用のリモコンで、住宅の扉も施錠で きたり……。考えてみると家電製品やキッチンなどの水回り設備を開発する技術力は、トヨタ自動車は既に手にしているようにも思えました。

 
 

アトリスパーク館長
近田俊二さん
(トヨタ自動車株式会社
BR企画デザイン室室長)

アトリスセンターのラウンジでサイマルキャスターズと語らう近田氏(左)と松 井氏(右)。2階はライブラリー。

 
INTERIOR DESIGN BY SPACE PLANNERS TOKI

   

「アトリスパーク刈谷」は、コミュニケーション棟であるアトリスセンターと、すまい体感ミュージアム、 2棟のモデルハウスで構成されている。
緑豊かな木立のむこうに、トヨタのグループ会社が運営するテニスコートが併設され、コートやクラブハウスからも自由に出入りができる設計に。 今年末には敷地内に、トヨタグループの技術を集結したシニアハウスのモデルハウスも建設予定だ。

 
  「アトリスパーク刈谷」の模型で全容が分かると思う。ホワイトモデルは年末に 完成予定のシニアハウス
 
「ATOLIS PARK(アトリスパーク)刈谷」
グランドオープン/2001年4月20日
住所/愛知県刈谷市昭和町2-84
電話/0077-75-809(フリーコール)
敷地面積/7290平方メートル
営業時間/10:00〜18:00、水曜定休

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