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プラズマテレビのあるシーン

長洲研志(I.C.D.建築設計事務所)×坂井勇樹「世田谷区 坂井邸」〜建築家が張ったキャンバスに、暮らしながら絵を描く

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暮らしながらつくる半セルフビルドハウス

 

お子さまが2人になり住まいが手狭になった坂井勇樹さんは、新居に築年数の経った一軒屋や集合住宅を検討。セルフリノベーションしようと考えました。しかし、半年探してもなかなか良い物件とは出合えずに難航。そんな中、友人が多く住む駒沢公園の近くに土地を見つけ、新築戸建てへと変更することに。
とは言え、年代を経たからこそ生まれる味わいや、エイジング感は譲れません。また、グラフィックデザイナーとしてWEBデザインや、Tシャツのデザインといったモノづくりを仕事とする坂井さんには、自ら手を動かして住まいづくりに参加したいという想いもありました。そんな頃、奥さまから一枚の小さな雑誌の切抜きを渡されます。そこには、長洲研志さんの自邸の写真が。
長洲さんは、教会から住宅まで幅広く設計を手がける建築家。そして、港区に自邸を建てる際には、半分セルフビルドで完成させた経験ももっていました。

「この家のことは、ほとんど私が決めたのですが、肝となる長洲さんとの出会いは、妻がきっかけとなりましたね」

と、施主の坂井さん。
坂井さんの要望である「倉庫」を、長洲さんはコンクリート打ち放しの半地下とルーフバルコニーを有する3階建てで表現。内観と外観が裏表のように明快な建物で、半円形の天井がポイントにはなっていますが、倉庫さながら過剰な飾り気はなし。四角い箱の中央に階段ホールを設け、全フロア回廊型。「隠すのは簡単だから」と、作り付けの家具や収納は一切ありません。LDKのある3階には丸、三角、四角の窓を設けるなど遊び心も生きます。そして、倉庫風でありながらも、倉庫とはあきらかに違っているのが3階の壁と、半円形の天井との接点。住宅街の高さ制限から生まれた設計とのことで、どの点も高さが異なるのです。その既視性のない設計が、ギャラリーのようなイメージを与えます。
さて、長洲さんが張ったキャンバスに、坂井さんは日々どのように絵を描いているのでしょうか?

「できる範囲の壁の塗装は自分でやっています。玄関扉や計約8mの雨戸は、長洲さんとの共作です。玄関タイルも自分で貼ろうとチャレンジしてはみたものの、上手くいかなくて、見るに見かねた職人さんが手伝ってくれました。
先々週には、やっと1階の壁を黒とオレンジに塗装しました。1階は花とパターンオーダー専門のTシャツ屋「lala」をオープンする予定なんですが、なかなか進まなくて。
そもそも、ここまで自力でやる予定じゃなかったんですよ。ちょっと壁を塗れたらいいかな〜って感じで。でも、長洲さんから『玄関扉40万円』といった見積もりを片手に『自分でつくれば、材料費だけですよ』って言われると、そうか……って、手を動かす結果に。つくり方のアイディアもどんどんくれるし。もう何度長洲さんと一緒にDIYショップに行ったかわかりませんよ。今となっては長洲さんがセルフビルドをもう一度やりたかったんじゃないのかなって思うほどです(笑)」

「無骨」を目指した住空間。あるものすべてが洗練されているのに、まったく気取りを感じさせません。それは、そこに住まい手の思想、そして汗と手を掛けた時間が存在するからなんだろうなぁ。ショップ「lala」がオープンしたら、ぜひまたお邪魔したいと思いました。それはいつのことになるでしょうか? 楽しみです。

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